10帖の土間と吹抜けがつなぐ繭の家(店舗併用住宅)
敷地は閑静な新興住宅地の角地に計画する、家族4人の為の塾を併用する住宅である。
建て主の要望は明確で、「繭塾」というそろばんとプログラミングの塾をやりたいと言う事、土間玄関にして塾と住宅の玄関を兼ねてもよいが、住宅と住居部分の動線は分けたいと言う事、「繭塾」の名前のイメージに沿った外観にしてほしいと言う事でした。
また、「繭塾」への想いをお伺いすると「自分の子育て感から繭塾への想いが子供達の個性をやさしい繭で包み込み、将来に向かって自分の力で羽ばたく力をつけてもらいたい。」という強い想いで将来的にはご夫婦で塾を運営していきたいが強く伝わってきた。
その想いからこの塾の運営が家族にとっての日常生活であり、子育ての一部となると読み取とれた。
そこで塾と居住スペースを完全に分けるのではなく、土間と吹抜け空間を建物の中央に計画し塾と家で兼用することで、塾と家を緩やかに繋ぐ場として、しかし土間と吹抜けが塾と住居のゾーンや動線を分け、塾と住宅側に3枚引き戸を設ける事で視界を切り、かつ、状況に応じで塾、リビング空間が拡張できるフレキシブルに使える土間と吹抜け空間をご提案した。また、プライベートな空間を2階にまとめ、塾からは生徒の視界を遮ることができる平面と断面計画とし、プライぺートな生活がしやすくなるように計画した。
さらに、土間と吹抜け空間には光、暖気、冷気の通り道としての家中の温度差を無くすための煙突の役割と視界の抜け、空間の広がりを感じさせる役割も持たせている。
木造2階建て店舗併用住宅
耐震等級3(許容応力度計算)
長期優良住宅
地域区分:5地域
Ua値:0.47 W/㎡・K
C値:0.19㎝2/㎡
暖房:エアコン
換気:第一種換気(マーベックス澄家)
延べ床面積:113.44㎡(34.31坪)
家族構成:ご夫婦+子供
建設地:京都府木津川市
施工:クレイル(奈良県)
2020年第8回R+HOUSE 2020審査員特別賞 橋本純賞 受賞
2021暮らしやすい家づくりアイデア100掲載(エクスナレッジ)